004:マルボロ


マルボロ。

という商品名を知ったのは、多分、うちの彼氏が吸ってるからだと思う。
彼が吸ってるタバコはマルボロの緑のやつ。
赤いのを吸ってるのは見たことがない。
他にも気分や季節、経済状況、あとは買うときに自販機にあったかどうか、など様々な要因によって彼が吸うタバコの銘柄は変わるけど、多分僕は緑のマルボロが一番好きだと思う。というよりは、多分、そのイメージができてしまってるんだろうなぁ。
僕も昔タバコを吸ってたことがある。
そんなにおいしいとは思わなかったが、妙なスッキリ感があったことは覚えている。きっとアレにはまる人ははまるんだろう。
後、友人に言わせれば、タバコがないと手持ち無沙汰になるそうな。
一人になったり、人の話を聞いたり、何か間を持たせたかったり、そういう時にタバコを取り出して、火を点けて、息を吸って吐く。この動作が身に染み付いてると、何をしたらいいのかわからなくなるそうな。そこまでタバコが生活に染み付く前に止めてしまった人間としてはなんともわからんものではあるが。
日曜日のバイトは、朝10時から13時に1時間休憩を取って、それから8時間労働する。そのとき、必ず僕の手元にはお昼ご飯のときの残りのお茶とオレンジ味のヴィックス。そんなに喉が痛むわけでもないのだが、ヴィックスがないと少し困ってしまう。その時の気持ちに似ているのだろうか。
そんなことを思ってたらヴィックスを舐めたくなってきた。
明日、彼に会う予定だ。彼の手元には多分また緑のマルボロがあるだろう(だって、給料日後だし)。




マルボロ。

という商品名を知ったのは、多分、彼が吸ってたからだと思う。
彼が吸ってたタバコはマルボロの緑のやつ。
赤いのを吸ってるのは見たことがない。
他にも気分や季節、経済状況、あとは買うときに自販機にあったかどうか、など様々な要因によって彼が吸うタバコの銘柄は変ってたけど、多分僕は緑のマルボロが一番好きだったと思う。というよりは、多分、そのイメージができてしまってたんだろうなぁ。
僕も昔タバコを吸ってたことがある。
そんなにおいしいとは思わなかったが、妙なスッキリ感があったことは覚えている。
きっとアレにはまる人ははまるんだろう。
そんなことを思いながら、まだ新しいBOXから一本取り出す。
口で咥えながら100円ライターで火を点ける。
息を吸うと、質量の違う煙が僕の体内に入ってきた。
「うあ。すっげ、おもっ!」
少しなみだ目になりながら咳き込むことだけはなんとかとめた。
「こんなの吸ってたら肺ガンになるって」
つぶやきながら、もう一度煙をすいこむ。
さっきよりは少しマシだ。
半分ほど残ってるタバコを指に挟んだまま、暗い部屋の中で一息ついた。
忘れてた、でも懐かしい味が口腔内に広がって、それを懐かしいと思う自分に少し笑えた。
彼としたキスの味。
明日からは大丈夫かもしれない。









100題とっぷに戻る