009:かみなり
小さい頃から、かみなりは好きだった。
降りしきる雨と黒すぎる雲と光る空、響く音。
部屋を暗くして、窓を開けて、激しい雨の音と光る雲の隙間と、その後に来る低い音をじっと見詰めていたのは決して珍しいことではないはず。

今日めずらしく、黒い雲と黒い空、豪雨と呼べるような雨が降って、少しそんな昔を思い出した。
今、住んでいる部屋は一階で、目の前にマンションが建ってるから空なんて見えやしない。
昔、関西で住んでた家の自分の部屋からの眺めは僕のお気に入りだった。
目の前には田んぼがあって、夏は風と共に動く稲穂が見るのが大好きだった。
南向きの窓だから、窓の下にベッドを置くと、夜は寝ながら月が見えた。
こんなことを思い出しながら、もし将来1人暮らしをしたら絶対に空の見える南向きの窓がある部屋を、と思った。









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