025:のどあめ
いっしょに帰る電車の中で、必ず君に差し出すのどあめ。

別に君のために用意してるものじゃない。
別に喉が弱い君のために、用意してるものじゃない。

私がほしいから。

それだけ。


電車が動き出して、目が合って、君が無言で催促してくるのを別に待ってなんてない。
ただ、私が舐めたくなって、いっしょにいるのに渡さないのは悪いかな、って思って。

誰でもすることでしょ?

それだけ。


渡す時に、ちょっと指がふれるのを期待なんてしてない。

ちょっとドキドキするだけ。

それだけ。






100題とっぷに戻る