038:地下鉄

東京の地下鉄ってのは、なんでこうも入り組んでいるんだろう。。
そんなことを思いながら、電車をまた乗り換えた。
地下鉄に乗ると、窓の外がいつだって真っ暗で、明かりといえば蛍光灯しかないもんだから、気分は終電に乗ってるようだ。
終電だって、もう少しマシな景色が流れるか。
月も町並みの踏み切りも信号も見えない窓の外。
乗ってしまったら、音楽を聴くか、寝るか、寝るか、寝るかしかないじゃないか。
そんなことを思っていたら、本当に寝てしまっていたらしい。
気が付いたら、とっくに降りるべき駅を過ぎていた。
地下鉄で困ること。
今どこ駅にいるのか、どのへんを走っているのかがまったく判断つかない。
車内アナウンスを聞くか、駅の表示を見るかだが、車内アナウンスなんてイヤホンつけて音楽流してたら聞こえないし、駅の表示は車内が混んでいたら見えるかどうかは運次第だ。
逆方向の電車に乗り換えて、目的の駅に着く。
改札を出て、表示を見る。
一つの駅に、10こ近く出口があるってのもおかしいと思う。
いや、分かれば便利なんだけど、間違って違うとこに出たら一気に迷子になるし。
まず、自分がどの出口で出るべきか、っていうとこで迷う。
なんとか、暗い地下道から階段を上って地上へ出た。
長い間地下を歩き回っていたからか、青い空にとても違和感を覚えた。
こうやって、自分が地上に出ない間に地上だけ時間が速く過ぎて何日も過ぎてしまっていたらおもしろいなぁ、と思った。
目に入ったクレープ屋が『本日、9日、クレープ半額!!』という看板を掲げている。
9が「く」と読めるから、クレープとかけてるのだろうか。
ちょっとムリがある気もするが、ま、安けりゃいいって気もする。
小腹も空いたし、クレープもいいかもしれない。
そんなことを思って、あれ?と思った。
今日って、9日だっけ?
8日だった気が。。。
慌てて携帯の壁紙に設定してあるカレンダーを見る。
今日は、水曜だから、、、
ほら。8日だ。
さっき面白半分で思ったことがよみがえる。
地下にいるうちに、・・・・・1日経った?
パニックに陥りかけた自分の思考を戻したのは、携帯の壁紙。
「−先月のだ。。。」
変えよう、変えようと思いながら変えてなかったっけ。。
今月のカレンダーを見たら、今日は間違いなく9日だった。
はぁ、と溜息をつく。
「おもしろがっていられるのも、想像のうちだから、だな。。。」
空はさっきより青さを増した気がした。






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