045:年中無休
いつだって、年中無休で僕は君に恋しているのに。

いつだって君は僕の知らない人のモノ。

君の左手薬指に嵌められた指輪の意味を無視するつもりはない。
要するに、そいつのモノってことだろ?
それでも、僕のこの気持ちを押さえることはできなくて。
ある日の帰り道、電車で居眠りした君にこっそりキスしたら、おでこにごつん、とおでこをぶつけられて拒否された。
その仕草さえかわいくて。
目を覚ました君は、責めるでも怒るでも、問い詰めるでもなく、ただちょっと困ったような顔して笑った。
それはずるいだろ。
詰られようもんならきっと、僕だって理不尽な怒りとともに君に思いをぶつけることもできたのに。
そのまま、君を抱きしめることだってできたかもしれないのに。
それで少しはすっきりさっぱりしたかもしれないのに。
でも、そんなふうに困った顔をされたら、これ以上どうしようもない。

だからって、君と僕の距離が広がったわけでもなく、君は相変わらず左手の指輪を嵌めたまま僕の近くで笑ってる。

いつだって、今だって、かわらず年中無休で僕は君に恋しているのに。

いつだって、今だって、君の左手薬指には変わらず嵌められている指輪が僕を拒む。






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